ID-51で操作をしているとすぐに違和感を感じる。キー入力のBEEP音が鳴るときに、スケルチが開いたようなシャーという音が聞こえる。
アマチュアバンドは静かなのでラジオを聴いてみる。FT2Dは窓際に行くと聞こえる程度なのだがID-51は何も聴こえないので、無いものと思っていたほうが精神衛生上良い。
3月19日から関西ではAMラジオのサイマルがFMの90MHz台で始まったが、これもFMの上限が90MHzのID-51では聴けない。
GPSの最初のつかみはID-51のほうが早いし、窓際でも受信できる。それに対してFT2Dは最初のつかみは遅いがつかんでからの維持力は強い。多少状況が悪くなっても、GPS圏外にはなりにくい。
タッチパネルを採用しているFT2Dは液晶の視野角が狭い。ID-51の液晶は高精細な印象を受ける。白と黒のコントラストがID-51の液晶の方が高いのだ。またフォントも全体的にID-51の方が見やすく感じる。大きいフォントを小さいフォントとアイコンを効果的に使い見やすくなっている。FT2Dはタッチすることを前提にデザインされているので仕方ないが、見やすかろうと小さなフォントをボールドにしたりして余計に見にくくなっている。FT2DのSDカードのアイコンのダサさは特筆すべきものがある。
Aバンド/Bバンド同時表示の際、FT2Dでは周波数が濃淡で示され、濃い表示が操作バンドだ。ID-51ではフォントの大きさが変わり大きい方が操作バンドだ。最初ID-51はA/B切り替えるたびに表示がピクピク動くので見にくいと感じた。
バッテリーの持ちについては、若干FT2Dの方が長持ちのように感じられた。(FT2Dは別売の薄型バッテリーFNB-101LIで)バッテリーそのものの形状について、ID-51のバッテリーにはベルトクリップをセットするレールが用意されているが、FT2Dのバッテリーにはネジ止めする穴が空いているだけ。ベルトクリップを使わない自分にとってはFT2Dのバッテリーが望ましい。ID-51のバッテリーロックレバーは使いやすい。
SDカードのフォルダ構成に注目すると、これもID-51は洗練されていて分かりやすい。音声も含めてログを色々記録してくれる。PHOTOフォルダがあるのがFT2Dの特徴か。
PDFの取説はID-51の方が断然使いやすい。取説そのものも見やすく、ページのリンクもしっかり張ってあって目的の情報にすぐにアクセスできる。FT2Dの取説は、かろうじて検索には対応しているが、目次のページをクリックしてもそのページに飛ぶことはできないものである。
さて次回はWIRES-XとD-STARの使い比べをレポートしたい。